2026/10/21

休職中、なにもできない自分を責めてしまう

朝、目が覚めて時計を見ると午前9時。

職場の人たちは、もう働いている時間。

自分だけが布団の中にいる。身体は重く、起き上がる気力もない。それなのに、胸の奥は落ち着かない。

「今日も何もできずに終わるのかな」

時計を見るたびに、焦りと罪悪感が込み上げてくる。

スマホを開けば、友人の仕事の近況や、楽しそうな休日の写真が目に入る。

みんなの時間は進んでいるのに、自分だけが止まっているような気がする。

少し調子がいい日には、資格の勉強でもしようか、散歩くらいはした方がいいのではないかと考える。

でも、いざ動こうとすると疲れてしまう。

そして、また自分を責める。

「仕事もしていないのに、こんなこともできないのか」

休職中、このような苦しさを感じる人は少なくありません。

 

私たちは普段、仕事の役割や成果、周囲からの評価を通して、自分の価値を確かめていることがあります。

そのため、仕事から離れると、生活リズムだけでなく、自分を支えていた自信や居場所まで失ったように感じることがあります。

特に、これまで責任感を持って働いてきた人ほど、何もできない時間を受け入れるのが難しい。

「今は休むことが仕事ですよ」

そう言われても、簡単には納得できないでしょう。

休んでいる間にも、職場は動いている。復職できるのか、以前のように働けるのか、周囲にどう思われているのか。

考え始めると、身体は休んでいても、心は休まらない。

休まなければいけないと分かっているのに、休んでいる自分を許せない。

そこに、休職中ならではの苦しさがあります。

 

心理療法の一つに、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)があります。

ACTでは、不安や罪悪感を無理に消そうとするのではなく、そうした気持ちがあっても、自分にとって大切なことに目を向けていく姿勢を重視します。

例えば、「今日も何もできなかった」と考えたとき。

その言葉を、自分という人間への判決にしないこと。

「今日は起き上がるのが難しかった」

まずは、その事実だけを見つめてみる。

余裕があれば、窓を開けたり、好きな飲み物を飲んだりしてもいい。何もできない日は、そのまま休んでもいい。

それすら、新しい課題にする必要はありません。

休職中は、回復のペースも、できることも人によって違います。

そして、働けていなくても、あなたという存在の尊さは変わりません。

焦りや罪悪感も、すぐには消えないかもしれません。

仕事ができない日も、誰かの役に立てない日も、あなたの人生の一部です。

休職中の自分を好きになれなくても構いません。

それでも思うように動けない自分を、これ以上責め続けなくてもいい。

そんなところから始めてもいいのだと思います。